ちなみに、このあとは映画も見る予定。


今、女子の間で話題のノンフィクションの恋愛映画。


泣ける純愛物語。


映画好きのちはるは、少し前からすごく楽しみにしていたみたい。



「にしてもさ、なんか飛鳥、ここ最近ドラマチックだよね〜」


「え?」


「研修先の年上男性に惚れられちゃって、同僚には守られちゃって。んで恋い焦がれる店長は相変わらず素敵な人で。

いいねぇ、ドラマの中の話みたい。」


「お、大袈裟だよ…」


私はちはるの言葉に苦笑い。


「私ならその新店長さん…大村さんだっけ?せっかく誘われたなら、ご飯くらいは行くかもなぁ。ま、飛鳥なかなか奥手ちゃんだし、飛鳥の中で、店長が勝ったのかもね?」


「えー、そんな気軽に行けないよ。2人だよ?!男性と2人でご飯だなんて!」


「あっはは〜、飛鳥本当に可愛い。その純粋な感じが、また魅力だしね。」



私はクスクス笑うちはるに、ぶぅーと怒りながらドリンクを飲む。


「でもね、なんていうか、最近、店長への気持ちもよく分からなくなってきちゃったんだ。」


「ん、と言いますと?」


「前にね、なんだったかな…

店長にケンと付き合えば?みたいなこと言われたんだけど、その時ショックじゃなかったんだよね。不思議じゃない?」


「ふむふむ。」


「それより、なんていうか最近ケンといる時のが楽しいっていうか。
面白くていいやつだなぁ、って。」


それを聞いて、ちはるはにんまり笑った。