タカラモノ~小さな恋物語~




「いや…俺もなんつぅーか、勢いだし。

やべぇよな、上司にあんな口きいて。店長にチクられたら、軽く終わりだな。」


「大丈夫だよ、大村さんそんな人じゃない、ケンや鈴音さんが思っているような人じゃないよ。ちょっぴり人間関係が不器用なだけ。私はそう思うよ。」


「ふーん。」


どこか腑に落ちないようなケンだったけど、「ま、ももてぃがそう言うなら…」と言った。


「ちゃんと謝んねぇとな、大村さんに。」


「そだね、もう一緒にお仕事するのも少しだからね。」


あとこの店舗に来るのは2回。


私は最終日の日に会うだけだった。



「あと…ケン。」


「ん?」


「私ね、よそよそしい態度はしたつもりなんてなかったよ。」


「あ、いいよその話は。もう忘れて?」


「違うの、聞いて?」



私は、一呼吸置いた。



そして、全部を話した。





サッカーの観戦をしてからのこと


勝手にケンの周りの人たちと自分を比べていたこと


勝手にケンとの間に壁を感じてしまっていたこと


勝手に自分の中で割り切って同僚として付き合おう、と決めたこと



「だから、ケンがあぁ言ってくれて本当に嬉しかった。自分の中でもやもやしてたのが、洗い流された気分だった。

私もケンのこと、大切な男友達として思っててもいいんだって…。」



「ももてぃ…」



「だから、本当に本当にありがとう!これからもよろしくね!」



言えた、ちゃんと笑顔でそう言えた。