タカラモノ~小さな恋物語~




それから、ほどなくして店内は落ち着いた。



「ねぇ、ケン。」


「ん?」


お互いに作業をしながら話す。



私は、引き出しの中の整理。

そしてケンは包装カウンターの片付け。



「さっきは、ごめん。あと、ありがとう。」


「何が?」


「いや、何がって…、もしかして怒ってる?」


「別に。」


「嘘、怒ってる。」


「だから怒ってねぇって。」



ケンはそう笑いながら言った。



「つぅーか、俺。なんか粋がって大村さんに色々言っちまったけど、ももてぃからしたら余計なお世話だよな。」


「え?」


「いや、俺が首突っ込む話じゃねぇし。俺、何様だよっていう…むしろ俺の方がごめんだし。」


「そんなことないよ。」


私は、手を止めケンを見る。


ケンもゆっくりとこちらの方に視線を向けてくれた。



「やっぱり、大村さんのお誘いは断ろうと思う。ケンが言ったとか、そういうふうじゃなくて、自分で決めたこと。

前にね、偶然大村さんと外で会った時があって、その時に流れっていうか、一度OKしちゃってさ。その時は、本当にいいやって思って…
でも今日改めて言われたら、やっぱり抵抗あった。

だからね、ちゃんと断る。変な期待を持たせてしまったのは事実だし、私が悪いから。

ケンが間に入ってくれてよかったよ、ありがとう。」