タカラモノ~小さな恋物語~




「なんだか今日、顔色ずっと悪いけど大丈夫?」



「あ、はい、すみません。大丈夫です。」



「夜替わろうか?」



「そんな、大丈夫です!もうお子さん帰って来られる時間ですよね?」



結城さんは、高校生と中学生の子供さんを持つお母さん。


そんなバリバリの主婦の方に、夜番を替わってもらうなんて、とてもじゃないけど申し訳なさすぎる。



「ほんとに、大丈夫なので…お気持ちだけ、ありがとうございます。」


「そう…、じゃあ先あがりだけどいいかな?」



「はい、お疲れ様です。」



「うん、お先に、お疲れ様。」



結城さんが静かに、倉庫を後にした。



そっか、もう4時か。




今からは、ケンと2人きり。



うん…きっと大丈夫。



そう思っていた矢先、応援のチャイムが鳴った。



急いで、表へ出ると、ケンがレジにいた。



「あ、ももてぃ。プレゼント包装お願い。」


「あ、うん。」



いつもと変わりなく話すケン。



そして、レジにはまだ3、4人のお客さん。


意外と混み合っていた店内。



いけないけない、切り替えなきゃ。



「よし!」と、小さくつぶやいて、私は仕事に取り掛かった。