タカラモノ~小さな恋物語~




「良かったら、夜ごはんどうかなって。」


大村さんはにっこり笑った。


夜ごはん…か。


そうだ、そんな約束してたっけ。



2人で、だよね。


いざとなると躊躇ってしまう。



大村さんは悪く無いけど、やっぱり2人でってちょっと抵抗あるかも。



私がこういうの、慣れてないのもあるけれど…



「すんません、大村さん。

ももてぃ、俺が予約してるんで。」



えっ…


不意にそんな声がしたかと思うと、手をパッと掴まれ、体がグイッと引き寄せられた。



「ケン…」


見上げるとケンが険しい顔で、大村さんを見ていた。



「相川くん…そうか、ごめんね、百瀬さん。」


「いえ、ちょ、ケン。」


手を振り解こうとしても、ビクともしなかった。


「あの、大村さん。

失礼なのは承知ですけど、この際だからハッキリ言わせてもらいます。

必要以上にコイツに関わらないで下さい。」



「ちょ…!!」


ちょ、ケン!!

あんた、何言ってんの?!



突然のことに、私の頭の中はパニックになる。