タカラモノ~小さな恋物語~




これは、その、つまり…

私は誘われてるの?



ふいに、今日鈴音さんが、大村さんのこと気を付けなよ、と言っていたことを思い出す。



「みんなで…ですよね?」


一応、やんわりと聞いてみる。


勝手な思い込みだったら恥ずかしいし。



「あ、えーと…2人でどこかってダメかな?」


大村さんが少し下を向いて言った。


「いや、迷惑だよね。ごめん。

ただ、なんか俺、誤解されやすくて。
今まで人付き合いとかすげぇ苦手で、本当に人付き合いとかしてこなくてさ。

でもいい年してこんなんじゃダメだって思って、今回の店長職を機に周りの人たちと仲良くなろうと思って、頑張ってたんだけど…。

裏目に出たっていうか、なんかうまくいかなくて。けっこう有る事無い事言われちゃって、それでだんだんなんかヤケクソになってて…」


「大村さん…」


あんまり自分の良くない噂が立ってるの、知ってたんだ。


「あとごめん、さっき営業中に店長と百瀬さんが話してるの少し聞いちゃったんだよね。

会話の内容どうこうじゃなくて、店長すげぇなって思った。
こうやって従業員とコミュニケーションとってるんだって。

同時になんかすげぇ百瀬さん楽しそうにしてたの見て、正直本当に百瀬さんと仲良くなりたいって思いました…」


なぜか、最後にそう言って大村さんは俯いた。


自分の髪をくしゃくしゃして、「なんか恥ずかしい…」と、笑っていた。