タカラモノ~小さな恋物語~





「ただいま~」


家に帰り、玄関の電気を付ける。



あれ、お母さん…?



いつもお母さんが玄関までやって来たり、「おかえり~」という声がリビングから聞こえてくるんだけど…。



「お母さーん…?」


リビングはただ電気がついているだけだった。



食卓の机に夜ご飯であろうハンバーグと置手紙があった。



【飛鳥へ

おかえり、お疲れ様。

お母さん具合があまりよくないので先に寝るね。

お鍋にお味噌汁、冷蔵庫にポテトサラダあります。
ハンバーグとお味噌汁は温めて食べてね。】



「えー、大丈夫かなぁ?」



よりによって、お父さんは昨日から1週間出張。


ていうか、具合悪いのにご飯しっかり作ってるし。


もう、それくらい手抜いていいのに…



でもそういうお母さん、好きだけどね。




私は静かに寝室のドアを開けた。



「ん、飛鳥…?」


「ごめん、起こしちゃった?」


「ううん、大丈夫よ。なかなか寝れなくて。あ、おかえりなさい。」


「うん、ただいま。」



私はお母さんの枕元に寄った。



「朝から調子悪かったの?」


「うーん…なんかだるくてね。」


「ダメじゃん、ちゃんと言ってくれなきゃ。ご飯は?何か今日食べた?」


「ううん、あまり食欲なくて…」


「そう…」



私はお母さんのおでこに手を当てた。