タカラモノ~小さな恋物語~




店長、改めて素敵な人だと思う。



なていうか、〝デキる人〟


私の求めているような人。


だから、好き。





でもどうしてだろう?


店長にケンとのことを言われたとき、ダメージは無かった。



不思議、傷ついてもいいはずなのに…。



「店長、ありがとうございます。そこまで考えてくださって、嬉しいです。」



心からそう思った。




「あのぁ、お取込み中すみません。8時回ったんですけど、お店閉めますか?」


大村さんが、気まずそうに裏から顔を出して言った。



「あ、そうだね。百瀬さん、閉めようか。」


「あ、はい…」



店長は何事も無いように「入力どう?」なんて、大村さんに聞いているけれど…




大村さん、いつからそこにいたのだろう?


店長と話していたこと、聞いていたのかな?



「う…」


だとしたら嫌だなぁ。




今日会ったばかりの人に、私の恋愛観、知られちゃってるんだもん。



めちゃくちゃ恥ずかしい。





心の中でキャ~と叫びながら、私はお店を閉めた。