「なるほどね。安定的なものを求めてるんだね。」
「そう、そうなんです!」
さすが店長!!
よく分かっていらっしゃる!!
だから店長 素敵、そういうの分かってくれるもん。
「でも百瀬さん。」
「へ?」
ひとり舞い上がっている私に店長は、「あくまで俺の考え方だけどね。」と前置きして話し始めた。
「安定とか、そういうことを求める恋愛にしても、年齢って関係ないんじゃないかな?
それに、年上の人が常に支えてくれるわけじゃない。子どもみたいな、甘ったれた自分より年上の人も、この世の中たくさんいる。
逆を言えば、百瀬さんみたいに大人な考え方をした、同い年や年下の人だって大勢いるってこと。」
「……。」
私は黙ってしまった。
まさか店長にこんなこと言われるなんて、思ってもみなかったから。
「あ、ごめん。百瀬さん、変な誤解しないでね?
百瀬さんの考えを否定とかそういう感じではなくて、ただ年上の人以外にもそういう人はいるってことを伝えたかっただけ。」
「あ、はい。全然大丈夫です。」
「あはは、ごめんね。余計なお世話だよね。こんないい年したオジサンが…」
「え、そんなことないです!」
私は慌てて否定をした。
オジサンだなんてめっそうもない。
ただ、ちょっと不意を食らった感じだったから、びっくりしてしまっただけ。
「いやいや、本当に悪かったね。
でも、百瀬さんも相川くんも、大切な従業員だからさ。ついつい世話焼きたくなっちゃうんだよね。」
あはは、と苦笑いをしながら店長は自分の髪を触った。

