タカラモノ~小さな恋物語~




「ケンは私にとって弟みたいなものなので。それ以上でもそれ以下でもありません。」


「そうなのかなぁ。」


「はい、それに私、ケンのこと何も知らないんです。職場が同じなだけで…一歩外に出たら、私とケンはお互い友達になるようなタイプでもないと思うんです。」



このことはよく痛感した。


だから、そんなことにはもう一喜一憂はされない。



いい同僚として、付き合っていきたい。



「ケンだって私のこと、職場の人くらいにしか思ってませんよっ」


私はそう笑顔で言った。



「百瀬さんがそう言うなら……。」


どこか店長は残念そうに笑った。



「そもそも好きなタイプとかある?」


店長がそんなこと聞くものだから、店長です!って答えたくなる。



……もちろん、そんな勇気はありませんけれど。



「うーんと、年上の人…ですかね?」


「へぇ、年上かぁ。ちょっと意外だなぁ。」



店長は、驚いたかのようにそう言った。



「私どこか変に大人びているというか、自分のことを支えてくれるような人と恋愛がしたいんです。だから年上の男性の包容力っていうか…」



あぁ、私 店長に何話しているんだろう。


自分で言っておいて、恥ずかしくなる。