タカラモノ~小さな恋物語~




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「「かんぱーいっ」」



ざわざわと騒がしい居酒屋。


12月25日、聖なるクリスマスだというのにムードもへったくりもない。



……でも、ま、これが私らしい。




ケンの行きつけの居酒屋さんでお疲れ会を行う。




…にしても、このお店の大将さんはケンが未成年だということを知っているのだろうか?


まぁ、大学生の男の子だし、そのあたりの所は目をつむっとくのかな。



「大将、ビールおかわり~」


一杯目をあっという間に空っぽにしたケン。



「はいよ。健吾~こんな可愛い子連れて~。

クリスマスにお二人さんで居酒屋デートかいな?」



大将さんがビールを運び、ニヤニヤしながら聞いた。



「違いますよ~この人はももてぃって言って、バイトの同僚です。

あ、でも本当のところは、実を言うと、ももてぃがどうしても俺と過ごしたいみたいで~!俺モテモテっすよ!」


「ちょ、ちがっ…!!何勝手なこと言ってんの。」



ったく、またすぐ調子のいいこと言うんだから。


呆れる私に大将はガハガハ笑った。



「いいねぇ、若いモンは。まぁゆっくりしてきな!」



私はケンを睨みながら厚焼き卵を食べる。



「調子に乗るなー!」


「てへぺろ。」


ビールが飲めない私は、ピーチフィズを飲む。



「はぁ…」


「まぁまぁ。今月は本当にお疲れっした。今までで一番忙しい月だったな~」


「そうだねぇ、お客さんほんとに多かった。ケンもサッカーハードの中、お疲れ様。来月はちょっとは落ち着くの?」


「うん、今月が大会あったからハードすぎただけ。もう今年も2試合だし。」


「そっか…頑張ってね。」



本当にケンはすごいよね。


サッカーにバイトに…大変だと思う。


一人暮らしもしているし、実家暮らしで両親に頼りっぱなしの私とは大違い。