ここのシュクレ・メゾンは私とケン、



店長の藤井 涼介-fujii ryousuke-31歳


正社員の宮本 鈴音-miyamoto suzune-25歳


そしてパートさんの結城さんと石井さんの6人が働いている。



大学生組は土日や夜の時間帯をメインに働いているから、パートさん2人とは長期休暇に入らないと、顔を合わせることが少ない。






午後4時。


「飛鳥ちゃん、相川君、お先に~。」

「ごめんね、お疲れ様~。」



「あ、お疲れ様です。」


「お疲れっす。」



今日は土曜日だけど、店長と鈴音さんがお休みだから結城さんと石井さんがめずらしく土曜出勤をした。



2人で……お休みか。



「何?気になんの?」


「へっ…?」


「店長と鈴音さん。顔に出てる。」


「はっ、何言ってんの?出てないし。」


「フッ、よく言うぜ。」



なんかムカついたから、「うるさい。仕事に集中しろ!」と言ってケンの背中をグーで殴った。



「ってぇ~暴力はんたーい。」


そうブツブツ文句を言うケンを無視して、仕事に取り組んだ。




「ねぇももてぃ~」


「…はい。」



ケンはいつだったか、気付いたら私のことをももてぃと呼んでいた。



百瀬だから、ももてぃ。


ももてぃなんてあだ名は、初めてつけられた。




でも少しこのあだ名は新鮮で、本人には死んでも言わないけど、ちょっとだけくすぐったかったりする。



「お腹空いたぁ~」


「そ、がんばれ。」


「ももてぃ、塩対応。」


「うる……あ、ありがとうございます。」



お客さんがレジへ向かっていたから、私もそのままレジへ向かった。