タカラモノ~小さな恋物語~




その日の夜。


お風呂上がりに、ベットに横になって、読みかけだったファッション雑誌を読む。


「あ、この服かわいいなぁ~」



雑誌は買ったり買わなかったり、毎月気分で決めている。


買ったところで、あまり読まないから意味がないのだ。




今月はクリスマス特集を全面に押し出していて、つまらないからやっぱり途中で読むのをやめた。



「なんか暇!」


バイトがある平日の夜は、クタクタで疲れているから、いつもすぐに寝てしまう。


こういう日はどうも時間を持て余す。



あまりスマホとかパソコンも触らないタイプだし、面白そうなテレビも今日はやっていないから、なおさら暇だ。


音楽かラジオでも聞こうかと思ったけれど、そういう気分でもなかった。



リビングからは、お母さんとお父さんの談笑する声が時折聞こえてくる。


私も会話に入れてもらおうと、部屋を出ようとした時だった。



♪ピロリーン…ピロリーン…



スマホが鳴った。