「ていうか、そもそもひとこと謝ったなら、さっさと帰れっていう感じだけどね!」
そう怒った口調で言うちはるだけれど、顔は笑っていた。
「うん、本当によかった。」
「私、翔に真顔で言われちゃった。
ちはるは俺にとってかけがえのない存在だから、絶対に裏切るようなことはしない。
二人で会ってしまったのは軽率だった。
けれど彼女にも、
俺にはちはるだけ、ちはるが最高の女だから絶対に手放さないってこと伝えたって。
もう、私、涙止まらなくてさ。
どうしてこんなにも想ってくれている人を傷付けてしまったんだろうって本当に反省した。」
なんて素敵な話なんだろう。
私の方が涙ぐんでしまった。
「ごめん、別にノロケとかじゃないんだけど…」
「ううん、愛されてるね、ちはる。羨ましい。」
翔くん、いつの間にそんな男気溢れる人になったんだろ。
「最高のクリスマス、過ごしてね!」
「ありがと。飛鳥は、クリスマス…?」
「私は何もないよ、バイトやって、仕事終わったらケンと呑みって感じかな?」
クスクスと自嘲気味に言った私。
ちはるも笑うかと思ったのに、ちはるの動作が止まった。
「ん…?どうしたの?」
ポカンとするちはるに、私は首を傾げた。

