タカラモノ~小さな恋物語~




「私の…知っている人?」


「うーん…」


少し困ったかのように言葉を濁すケン。


当たり前だよね、私が知るわけがない…私はケンのお友達を知らないんだもん。





もしかして、さっき言っていたあることって…


ケンの好きな人と関係があるのかな?



「俺にとってかけがえのない、大切な人。」




もう、私は何も言えなかった。



自分の気持ちに気付いたと同時に、叶わないということまで知ってしまった。





私の理想の人は、年上で、私のことを支えてくれる、大人の男性。


大人の恋愛がしたくて、安定を求めていて、それでもどこかキュンとして。




店長や大村さんが言っていたこと、やっと分かったよ。


自分を支えてくれるのに、年齢なんて関係ないってこと。




私のことを、いつもいつも支えていてくれたのは、ケンなんだね。


仕事においても、プライベートにおいても。




ここ最近、ずっとケンのことで、モヤモヤしたり、ドキドキしたり、体が熱くなったり…


ケンのことで頭がいっぱいだったのも、全部ケンが好きだからだったんだね。





私にとってケンはもう、弟でも同僚でも男友達でもない。



ケンのことが大好きで、大切で、かけがえのない存在なんだ。