彼は6組。私は1組。


滅多に合わない。


はずだった。


が。


それが前から毎日あっていたという。

食堂で。

もちろん。私は気づいていないが。



うちの高校はお昼持参、又は食堂で購入、どちらかを選べる。


私はお弁当だが、友達みんなが食堂だからお弁当を持って食堂に。


(なんか、いるのわかると意識しちゃうな……この間の件で。)

「はぁ…」

「どうしたの?未来。珍しくため息なんてついて。」

「それがさ。告白…されたんだよね。」

「………」

「あ。意外と驚かない感じ?」

「いや。驚きすぎて声が……」

「……だって。だって彼氏いない歴 = 年齢の未来が!告白されたなんて!」

「って。なんでため息?」

「うん。実はね、むこうは私のこと良く知ってて好きって言ってくれたのに、私は彼のなにも知らなくて、告白された時に誰?的なこと言っちゃったんだよね……」

「……それだけ?」

「いや。で。その彼が。あの人。彼、食堂購入だから毎日合うんだよね……」

「あのさー未来。さっきから彼、彼って。名前はないの?」

「だって…なんて呼べばいいの?」

「名前はなんていうの?」

「三上天志。」

「思い切ってたかしくんなんてどう?いいんじゃない!?」

「そんな急に……」


いきなり彼が近づいてきた。

「ねぇ、未来ちゃん。前空いてるよね。そこで食べてもいい?」


「あ。うんいいよた……た……」

(未来ファイト!)

「た?」

「食べてもいいよ!その席空いてるし!」

「未来!だめじゃん!ごまかしちゃ…」
「ご…ごめん…」

「?なにか言った?」

「え?何も!おひるがおいしいね!って。」


「そっか」

その時の彼はあの時の笑顔と違ってなんだか悲しげに見えた。




つづく。