外を見ると、今日は朝から雨だった。
「りょうくん、みなちゃん、あっくん、りんちゃん、皆元気かな。」
それぞれ他の施設に引き取られたって、今はどこに住んでるんだろ。
誰に聞けば教えてくれるのかな。
もしかしたら、新しい館長がきて、また皆施設に戻ってきてるかもしれないよね。
と思うと、私は、靴を履いて、上着を羽織り、思うままに病院の外へ出ていた。
振り返ることなく。
雨の中を颯爽と進む。
久しぶりの外に、気持ちが舞い上がり、気づくと、、、
走ってた。
大丈夫じゃん!
私は、病院というところにいたから、気持ちも落ちて体がどんどんむしばんでたけど、本当は、こんなに元気なんだよ!
と思うと、どんどんスピードを上げて、いつのまにか施設に着いていた。
ザーザーと降りつづける雨。
施設の前に建てられた看板
『売り地』
、、、、、、、、、、、
「皆、
私を
置いて、
どこに行っちゃったの?」
体中がガタガタと震え、気づいたら、体が冷えきってた。
もう、こんな体、どうにでもなれ。
皆に会えないなら、生きてても何もいいことなんてない。
雨なのか涙なのか、もう前がぼやけてわかんない。



