「いいか、生きろ。
体は弱くても構わない。
俺たち医者がいる。
だけど、心は強く生きろ。」
鬼佐藤が、そう言いながら、部屋を片付け始めた。
黙って、
近藤さんも一緒になって片付け始めた。
私は、涙が止まらない。
優しい言葉なんて、心に響かない。
だからこそ、鬼佐藤の言葉が胸に染みた。
悔しいけど、
その言葉が、さらに涙を増やした。
こんな形だけど、誰かに話すって、心がポカンとなる。
なんだか、私の体の中で、
固まっていた何かが、溶けていく。
溶けすぎて、ポカンとする。
鬼佐藤に立たされ、ベッドに座らされ、近藤さんが持ってきた点滴を再び打たれ、布団をかけられた。
鬼佐藤はそのまま1時間ほど、黙って私の側にいた。
もしかしたら、それ以上いたかもしれない。
私が1時間ほどで、眠りに付いたから、そのあとのことはわからない。
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