未知の世界


「寒っ!」





気付いたらいつのまにか寝ていた。





ちょっと喉を痛めたみたい。





太陽に照らされて、体中にかいていた汗が冷えたのかな。




寒くて喉痛めちゃった。





部屋に戻ると、棚に目覚まし時計が置かれてた。




誰か持ってきてくれたのかな?




まぁいいや。





と、時刻は12時30分。





机にお昼ご飯があった。




喉が痛いけど、少しずつ食べた。





午後からは予定がないから、院内学級に行ってみよう。




午前中は、タバコを吸えたし、少し寝たらスッキリした。



少し喉が痛いけど、、、





院内学級には何を持っていったらいいのか、どこでやっているのかわからなかったので、ナースステーションで看護師さんに聞いてみた。





すると、鉛筆と消しゴムを貸してくれた上、院内学級に案内してくれた。







院内学級とかかれた部屋に入ると、中学生、高校生辺りの子が数名いた。 
     




少人数、苦手だな。





しょうがない、病院だから、と思いながら院内学級の先生に促され、席に座った。





授業は、国語だった。



配られたプリントはそれぞれ学年に合わせたものらしい。





授業は、自習のような形で、それぞれ配られたプリントを個々で解き、答合わせをしたのち、間違いの多いところの解説を受ける。




1時間程がたち、休憩をしたのち、次は数学。





また配られたプリントを解いた。





プリントは私にとっては簡単だった。





施設で鍛えられただけある。






あの館長は、体裁を気にする。






施設育ちの子供たちは、皆学年一番にさせるため、体罰を与えながら勉強させた。








、、、、









もう考えるのはやめよう。





思い出したくない。






プリントを早く解き終え、他の子が終わるの待っていた。


  
教室には、来月開催される花火大会のポスターがあった。






花火、大好き!




 
嫌なことを全て忘れられるんだから。






なんて、考えてると少しずつ体が怠くなっていた。







「鈴木さん!鈴木さん!大丈夫ですか?」










と言う声で、ハッと目を開けると、目の前に先生が不安そうな顔で私を見ていた。



 
いつのまにか寝ていたみたい。




周りを見渡すと、他の子は誰もいない。



「ごめんなさいっ。」





と言い、慌てて教室を出て部屋に戻った。




置き時計の針は16時だった。




お昼より体がぐっと悪くなり、少し寝ることにした。




午前中はあの爽やかなドクターが来た以外は、ほんとに幸せなひと時だったな。





なんて考えてると、いつのまにか寝てしまった。







デコがひやりとして、目を覚ました。



部屋には佐藤先生と近藤さん。





あ、頭が冷えて気持ちいい。



   


「今日、院内学級で居眠りしてたみたいだな。昼も体調悪かったのか?」






またキタ。






はぁ、お説教。




「院内学級の先生から連絡があった。





いつからだ?」






私が答える前にいくつ質問するだろ、この人は。






「さあ。」






と目をつむりながら答えた。





そう答えるしか体力が残っていない。



体中が重くて。




目も開けれない。






「ケホっ」





喉も痛い。




「口開けて。」





と言われ、一度唾を飲み込み、痛みに耐えながら口を開けた。






「真っ赤だ。今日は何してたんだ?」






喉が痛いから話したくないんですけど。





私を見続ける佐藤先生に負けて、





「ゲボっ、






屋上にいました。」






「それだけか?」







「いえ、少し寝てたみたいで。」






納得したのか、困った顔をしている佐藤先生。


  


「その時から喉が痛かったんじゃないか?




体調の変化はすぐにいいなさい。





ここは病院なん





「ほっといて下さい!」




言葉を遮って、叫んだ。




ズキッ





喉痛い。





顔をしかめていると、  






「ここは病院なんだから、無理する必要はない。」






この人、私の話、聞いてたのかな。





近藤さんが、部屋を出て行った。





けど、佐藤先生は出て行かず、椅子に座った。




「熱は37度を超えている。相当辛いだろ。





点滴で楽になると思うから、ゆっくり休みなさい。





食事は摂れるようならたべればいいが、無理しなくてもいい。」






と言い、そのまま動かない。





「あの、行かないんですか?」





と恐る恐る聞くと、





「ほっておけと言われたら、ちゃんと監視してないと、また逃げらだろ?」





うわっ!当たってる。



なんという観察力なんだろ。




「寝付くまでいるから」





と言われ、目を閉じた。





誰かが側にいるって、安心して眠れる。




怖くない。