未知の世界


部屋に戻り、ベッドで横になる。






扉が開くと、早川先生が入ってきた。






「どう?お腹の痛みは取れた?朝食は食べれた?」







と聞かれ、私は、黙ってうなづく。






今朝の回診、知らない人だったから良かったけど、昨日のことがあって、何か気まずい。






「それなら良かった。





今日は院内学級には行かないの?」







と聞かれ、再び私はうなづく。





何かなぁ。







早く立ち去ってくれないかな。







かなり気まずい。






なのに、何だろう?その爽やかな笑顔。






マシで苦手かも。






しかし、早川先生は容赦なく、






「良かったら、病院前の庭に散歩に行かない?」






と言われた。





さっき屋上行って、かなりリフレッシュしたから、いいや。






それに、二人でなんて気まずい。






と思い、首を横に振った。




すると早川先生は、





「分かった。たまには気分転換も必要だから、また行きたくなったら行こう。」





と言い、少ししたら部屋から出て行った。







「ふぅ」






疲れた。





昨日、言った気持ちは変わらない。





なんで、私が入院しなきゃならないの。






もう嫌!






病院なんか来るんじゃなかった。






ほんと、イライラする!





大人しくベッドで寝ていることが、バカバカしくなってきた。




いろいろ考えていると、どんどん頭にくる。





「あ~もうっ!アホみたい!」




といい、私は廊下を出て屋上に向かった。





イライラすると、胸がムカムカして、段々と苦しくなってくる。




この感じ、いつも施設でされてた時のことを思い出す。





いっそ、死んでしまいたい。





いつまでこんな気持ちを思い出すのだろう。






さっききたばかりの屋上だけど、また同じタンクのそばに行き、イライラしながらタバコを手にする。

  
  


気付いたら、一本、二本と次々と吸っていた。








もうやめなきゃ。




臭いが体についちゃう。





まだ胸のムカムカがすっきりしないけど、少しは気持ちが晴れた。






すぐに部屋に戻ると臭いが消えないから、しばらくここにいよう。






と屋上のベンチに腰をかけた。





「ふ~」





っと一息つく。





まだ空は快晴、気持ちがいい。