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⦅瑠菜。瑠菜。⦆
自分の母親があたしの妹を呼ぶ声が空間に響く。
⦅瑠菜。今日のご飯は何がいい?⦆
⦅うーん。ハンバーグ食べたい。⦆
⦅じゃあハンバーグにしましょっか。⦆
ねぇ待ってよ。あたしはハンバーグ嫌いだったじゃん。
お母さん。知ってるはずでしょ?
この前はハンバーグを食べるときは美沙がお婆ちゃん家とかに泊まった時だけにするわ、と言ってくれたよね?
⦅お母さん⦆
そう言っても、振り返ってくれなかった。
⦅瑠菜。私の子供は貴方だけよ⦆
待ってよ。あたしはあなたの子じゃないの?
⦅美沙。大丈夫だよ。僕たちの子で違いないよ⦆
お父さん。
⦅ありがとう。大好き⦆
⦅僕もだ。だけど、ごめん⦆
そうお父さんは言うと、弾けて消えていく。
───⦅なんで貴方を産んでしまったのかしら⦆
───⦅あんたさえ、居なければ。どんだけ私達が幸せだったことか⦆
───⦅ねぇ瑠菜に悪影響だから、近付かないで⦆
───⦅返してよ!真人さんを返して!⦆
───⦅ホントに悪魔みたいね貴方。醜いわ⦆
やだ。
やだやだやだやだやだやだやだやだ。
消えてよ。消えてよ!無くなっちゃえ無くなっちゃえ無くなっちゃえ。
居なくなっちゃえ居なくなっちゃえ。跡形もなく灰になっちゃえ。
そう思っても、自分の母親に手を伸ばしている自分がいた。
けれど。
その手は触れることなく、空だけを掴んだ。

