「ねぇ。優季さー」
「ん?」
優しそうな少し甘い声と共に、飴色の綺麗な彼の瞳があたしを捉える。
その瞳に写ったあたしは、酷く戸惑った顔。
「…いや、何にもない」
ぷいっと視線をずらして泳がせた。
意外にも真剣な目だったら逸らしてしまうなんて。
あたしは、つくづく馬鹿だ。
「…そういえば、果奈知らない?」
苦し紛れの話題転換。
「あぁ。栗田さんなら、隣のクラスのヤツに呼ばれて教室出てった。お前と違って女子だからな」
何故に女子ということを協調するの。
そして、優季サン。あなたの中のあたしの性別は何ですか。
「…あたし、女の子なんだけど」
「寝言は寝て言え」
「ぶっ殺す」
右手の拳を固く握り、優季に全力でぶつけようと思った時。
小さい手に右手が包まれる。
「みーちゃん。喧嘩はダメだからね?」
「あ、果奈。告白?」
「まぁ…そんな感じかな?」
彼女は短い髪を揺らしながら、恥ずかしげに前髪を弄る。
「…んで、結果は?」
「フッたに決まってるでしょ?だって私、その人の事知らないし…………」
何この子。むっちゃ真面目。
そして、THE 女の子。

