シークレットガール!【完】






「………………ッ、」


強く噛み締め過ぎて、奥歯が鳴った。


「…………………」



何このセンチメタルな感じ。


自分で作っておきながら、この空気は少し苦手。


少しというより、とてもがお似合いだけども。


はるるんるん。


君は何を豹柄パンツネェサンに求めているんだい?


はるるんの瞳は何を写しているの?


ねぇちゃんと豹柄パンツネェサンをちゃんと見てる?


豹柄パンツネェサンははるるんを見てるよ。


けど、はるるんは、ちゃんと見ていないよね?


豹柄パンツネェサンに同情しちゃうよ。




「女たらし。んな称号、…はるるんには一億年早いっての」




助けてあげようじゃん。


1ヶ月と少し、一緒にいて初めて見たはるるんが女の人といる姿。


助けてあげよう。


はるるんはさ、女たらしをする性格じゃないでしょ?


無駄なことはしたくない主義だったのに。


はるるんなんて助けても、あたしには得がないというのに。


なんで、あたしははるるんなんかを助けたいなんて柄にもなく思ったのだろうか。


そんなの分かるわけない。


けど、胸がギュッと締め付けられる。



なんで、あたしとは違うのにそんなことをしているの?



そう思ってしまう。


せめて、この感情に理由を作ろう。


あぁ、そうだ。ピッタリな言葉があるじゃん。




「はるるんはトモダチだから」





“トモダチ”。“トモダチ”。


トモダチなら助けてあげるのが普通でしょ?


まぁとにかく。


今日は様子見ってことで。


スマホを取り出して、時間を確認すると18時10分。


やだなぁ。ダッシュしなきゃ18時30分までに家に着かないじゃんか。


はるるんのせいだ。


はるるんが助けれた称号にケーキバイキングでも連れてってもらおう。


そうじゃないと、割りに合わない。


くるり、踵を返したあたしは駅の中に人混みに身を投げた。