何で高校で習うとか分かるのだろうか。


やはり頭のレベルが違いすぎる。


「んで、ちぎるって書いてあるじゃん?それは契約の“契”に“る”で“契る”で」


学年首席の彼女はフムフム、と彼女の言うことをメモをする。


「契るっていうのは、一般的に将来を約束するって意味でね。いや、そうなんだけどね」


そうなんだけど?


その言葉が気になって、私は読書から完全に彼女の次の言葉に耳を集中させた。


「……契るっていうのは、本当はエッチなことをするってことで。教育に悪いということで将来を約束するって意味になってるの。だから、読んでるだけなら《ピーーーー》をするって考えた方がいいよ」


ちょ、…ちょいと待って下さい!


なんか、その。アリエナイ言葉が聞こえた気が…っ。


セッ……いや、その。ちょっとアダルティな言葉が聞こえた気がするんですけど!


聞き間違えッ!??


そう思い、彼女らに視線を預けると、学年首席の彼女はシャーペンを片手に耳を触ったりしていた。


多分、耳が可笑しいのかチェックをしている気がする。


「えっと、…双葉ちゃん。もう一回説明してくれないかしら?少しボケーとしてて。…ごめんね」


「いいよいいよ、私もよくやるから。今度はちゃんと聞いてね」


天使の笑顔を浮かべる彼女。


やはりさっきの言葉は聞き間違え…


「……契るっていうのは、本当はエッチなことをするってことで。教育に悪いということで将来を約束するって意味になってるの。だから、読んでるだけなら《ピーーーー》をするって考えた方がいいよ」


…、じゃなかったァアアアア!!!!


ぽろり、彼女のシャーペンが落ちる。


私も読んでいた本が落ちる。


「………………」


「……………………」


私も学年首席の彼女も黙って、何も無かったのかのようにそれを拾い上げた。


「佐野さん」


「え、……?」


急に名前を呼ばれて府抜けたような声が出る。