鈴村さんが出ていって数時間。
「美沙」
優季が病室には入ってきた。
彼の学ラン姿はもう見飽きた。
そんな学ラン姿は、今日でおさらば。
彼の胸元には、ピンクの造花と『卒業おめでとう』の文字。
3月。卒業の月。
彼は今日で中学校を卒業したのだ。
「あたしも中学校、通いたかったぁぁあ」
「倒れたら、困るから行かないって言ったのは誰だよ」
「はい、あたしです。ごめんなさい」
「ん。てゆうか、お前、まだ勉強してんだよ」
お母さんから本格的に見放されて早2年間だ。
小学4年生。つまり、5年前に嫌われて。
12才。つまり、3年前にお母さんと瑠菜はとなりの県へと引っ越しをした。
引っ越しした理由は秘密裏に瑠菜とあたしが会っていたのがバレたから。
努力したって何したって、もう彼女らの耳にはあたしの行動が耳には入らないのだ。
「高校、受ければ?お前の頭なら、特待生とかイケるだろ」
「もう願書締め切ってるでしょ。てゆーか、優季クン?入試、一週間切ってますけど。あたしと話してて大丈夫なわけ?」
「体力充電中だ」
「は?意味分かんな「美沙」
「な、…………何」
「本当に手術受けないのか?」
また、その話題?
「受けないよ。もう生きてても意味ない。どうでもいい。お金だって、お母さんがしてるんだし、親孝行みたいなのしてみたいじゃん?」
あたしは、ここ──橋本病院に入院して、7年目。
入院し始めたのは、2年生のころだ。

