「志貴先輩って、いつまでそのピアスつけているんですか?学校側がさくらさんの事を理解して大目に見てますが明らかな校則違反ですよ」
あのクソミルクティーカラーもね。
「あたしはよく分からない。そこまで、志貴先輩がここまでさくらさんを忘れないように執着するなんて」
生まれたのだから、死は当然の事だ。
どうしたって、それが運命で宿命。
ただ彼女は死ぬのが早かっただけ。
「志貴先輩は、それで幸せなんですか」
もう居ない人の事を想って、悲しんで。
「自分の心の中では彼女は生きている、なんてアホなこと思ってませんよね?」
「…………思ってるわけないだろ」
「なら、もうさくらさんの事は忘れるべきじゃないですか?思い出にするべきじゃないですか?」
「………もう居ないんだから、全て思い出だろ」
あぁもう。この人はなんにも気づいてない。
だから、さくらさんもあんなお願いをしたんだよ。
「現実逃避もいい加減にしてください」
そう言った瞬間、彼の瞳の奥で何かが揺れた。
「さくらさんは死んだ。その桜のピアスは、形見なんですか?それに何の意味があるんですか?もういなくなった人なんですよ?」
「……………」
「未練たらたら、ですね。いなくなった人を想っても意味ないのに。生まれ変わりを信じて、さくらさんの魂を持った人を探す気ですか?」
「…お前には関係ない」
あぁもう!焦れったいなオイ。
「関係あります。さくらさんに頼まれたんですから。出来なかったら、会わせる顔がありません」
「会えねぇ奴に会わせる顔がねぇって、お前こそ現実逃避してんじゃねぇかよ」
あはは。そんなことかよ。
「あたしは志貴先輩と違いから。生きている世界が違う」
「お前こそ、頭ヤベーんじゃねぇの」
「残念。あたしは至って正常でーす。……って、話そらさないで下さいよ。あたしはラストチャンスを成功で収めたいんですよ」
と話が脱線し始めたときに。
「お待たせしました。イチゴタルトとパンケーキです」
グットタイミングに、イチゴタルトとパンケーキが到着。
運んでくれたお姉さんが遠くにいくのを確認して、にんまりと笑みを作った。
「志貴先輩、イチゴタルトどうぞ」
「いらねぇ」
「そんなこと言わずに。遠慮しないでください。あたしの奢りですから」

