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「いやぁ、楽しかったですね。志貴先輩」
ゲームセンターを出ると、辺りは暗くなりかけていた。
ガヤガヤと耳が騒がしかった所から急に、静かな所へ移ったせいか、耳に少しの違和感あり。
「……お前、家にもぐら叩き持ってるのか?」
「持ってませんけど」
今日も悉(ことごと)く、もぐら叩きであたしに負けた志貴先輩に睨まれる。
うん。慣れた慣れた。
これも平和な日常の1ページである。
「美沙ちゃん、はい。これどーぞ」
はるるんから差し出されたのは、写真。
プリントクラブ略してプリクラである。
それを見て、笑みが零れる。
違うものも零れそうで、それを必死に止めるために、唇を噛み締めた。
「志貴先輩、全て無表情なんですけどー」
あたしが文句を言うと、さらり睨みが厳しくなる。
「そんなに熱視線送らないでくださいよ」
「キモイ言い方するな」
はい。ツンを頂きました。
あぁもう。1年弱、一緒にいるのに志貴先輩のデレが得られなかったよコンチキショー。
それが唯一の後悔だったり後悔じゃなかったりしたりしなかったしたりする。
また、写真に視線を落とした。
ポーズを決めているのは、あたしとはるるんのみで。
しかも、ポーズというより、あたしの顔半分切れてたりしている。
その原因は紛れもなくはるるんだ。
仲良し~☆、なんていう言葉が機械から聞こえたとき、手を繋ごうとしてきたから、それに逃げたり。
二人でハートの形を作ろう、と機械が言っときなんて、抱きつこうとしてきたんだよ‼?
あぁ恐ろしき。
最後まではるるんは変態を貫いた。
逆に尊敬してしまう。

