「美沙ちゃん。なんで、志貴が先に行ったと思うー?」
「え、そりゃあたしと歩きたくないと思った「わけがないでしょー」
鈍感だなぁ、とケラケラ彼は笑う。
「……………はるるん、うざ」
「んー?知ってる知ってるー」
誰かどうにしかしてくださいこの性格破綻者を。
あたしの手には負えません。
「はるるんは、何したいわけ」
そう聞くと、周囲の気温が数℃か下がった気がした。
「何って、何」
ヒンヤリとした彼の声が鼓膜を揺らす。
「……はるるん、怖い」
「怖くしてるもーん。しょうがないしょうがない」
どこが仕方ないわけ。さっさとその目止めて欲しいんだけど。
「ねぇ美沙ちゃん。質問に答えて。何って、何?」
「…………………」
「……3ー、2ー、1ー、」
あぁもう!言えばいいんでしょ!言えば!!!
「はるるんがこの期に及んで嫌がらせしてくると思ったの!!!!」
「………ぷっ」
笑った‼?笑いやがったよコイツ。
あたし、ウケとか狙ってなかったんだけど!
そして、なかなか笑い止まない。
ウザいウザいウザいウザいウザいウザい!!
キッと彼を睨むと、彼は笑い泣きで得た涙で潤した瞳を細めた。
「本題に入ろっか」
彼は、静かにそう話を切り始めたのだ。

