先に歩き始めていく彼らに置いてかれまいとあたしも足を進めた。
二人に追い付くと、少し歩く早さが緩まって。
彼らの優しさに心が温かくなって、小さく笑みが零れる。
「そーいえばさ、美沙ちゃんって、文理選択どっちにしたのー?」
「え、あ、うん」
何故にその話題なの。
「うん、じゃなくてー。理系?文系?」
「……あははは。どっちだと思う?」
「理系。だと思うよね、志貴」
「あぁ」
「じゃあ、そういうことで。ちなみに優季は理系だよ」
「橋本クンはどうでもいいしー」
「優季だよ‼?優季だよ‼?はるるんと志貴先輩が大好きな橋本クンだよ‼?」
「大好きとか言ったことねぇし」
「はい、ダウト!志貴先輩は場のカードを全部引き取ってください!!」
冷たい視線を向ける志貴先輩は、今にも、あたしをかき氷にしそうだ。
「どこにトランプがあるんだよ」
「………………」
彼の一言で重大な事に気付く。
確かに、肝心のトランプがない。
しかし、ここで諦めたら倉條美沙の名が廃る!
「よしっ!今から100均でトランプを買おう!部下達よ、36円の準備だ!!」
36(円)×3=(人)108(円)。
見事に割り切れるじゃないか。
初めて、消費税アップを喜ばしいと感じた。
2でも割れるし、3でも割れる。
4でも割れし、6でも割れる。
9でも割れるし、12でも割れる。
あぁなんて素晴らしい消費税8%。
100均に優しい8%。
「増税万歳ッ!!」
アベノミクスも捨てたもんじゃない。

