「あっ、あのっ!!」
目の前に飛び出てきた女の子は顔を赤めている。
制服は撫子生育学園なんて言われたりするところだった。
優季くんよ、撫子にまで手を出しているのかい?
マジで引く。手出すの早い。
「あの、その……隣の綺麗な方って彼女なんですか……ッ?」
隣の綺麗な方?綺麗綺麗綺麗綺麗、き、きれい、……だと‼?
「君、むっちゃいい子だね。あたしは彼女じゃ、」
撫子チャンに、誤解を解こうしたのだけれど。
後ろに腕を引かれ、体がポスリと彼の胸の中に収まる。
どくん、どくん。心臓が激しく鼓動する。
隙間なくくっついた彼の胸とあたしの背中は、体温を共有する。
「美沙」
「………~ッ」
みみもとで低音ボイス。
心臓に悪いことこの上なし。
顔がカアァアァーーッと紅潮するのが分かる。
「………ゆ、うき」
目の前の女の子も、アワアワと慌てる。
撫子チャンには、刺激が強すぎるんだよアホ優季。
しかし、優季はあたしの体を抱きしめる力を緩めなかった。
「…悪いけど、俺らこういう関係なんだ」
申し訳なさそうに(聞こえるだけ)言う彼。
女の子も、あたしに負けず劣らず紅潮させていて、
「おおお、お幸せにっ!!」
マッハのスピードで走っていった。

