「てゆーか、美沙ちゃん。このお兄さんと話し過ぎじゃない?」
はるるんは不服そうにシワを寄せていた。
「そう?」
「だってー、俺らのこと一瞬忘れてじゃん」
確かに。
「…でも。別に関係ないじゃん。あたし、翔くん好きだし」
「………………」
明らかにはるるんか顔をしかめた。
気にくわない、と言いたげだ。
「てゆーか、はるるん!それ、嫉妬‼?やっと、たらっしーにも、あたしの魅力が伝わったか!いやー、照れちゃうなぁー、……ってはるるん‼?」
「ちょっ、…美沙ちゃん見ないでよ!あっち行って!」
そんな理不尽な。
ジャイア○か。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンか。
「ちょっと、はるるん。顔真っ赤だよ。大丈夫?」
「何この無神経な子!地味に恥ずかしいポイントをつついてくるとことか、わざととしか思えない」
無神経…。心外だなオイ。
美沙ちゃんの胸ってないよね。ほんとは男なんじゃない?って言ってきた奴に無神経と言われたよ。
はるるん以上の無神経なんて、スーパーミラクル無神経じゃないか。
「はるるん、何があったか分かんないけど、顔真っ赤なんだよ?安静にしてなきゃ。ほら、今だけ特別。膝枕してあげるから、寝転がろ?」
はるるんの裾を引っ張って、店の奥にある長椅子につま先を向けた。
美沙ちゃんはなんて優しいんだろうか。
スーパーミラクル無神経と言われても、相手のことを心配する。
あぁ、なんて出来た子なのだろうか。
しかし、はるるんは出来た子の提案に賛成しなかった。
「ちょっと何この子!ガラスのハート粉砕の次は俺の心臓止めにかかってきたんだけど!!」
あたしは暗殺者か。
「あたし、そんな物騒な子じゃない、…てああああああ。はるるん、もっと顔真っ赤だし。タコになってきたしっ」
「心配するなら、離れて。ほんとに離れて。冷静にさせて切実に」

