「お兄さん」
はるるんは、翔くんに話しかけた。
「ん?なんだい。君は美沙ちゃんのカレシさん?」
翔くんは爽やかさスマイル。
「いいえ。俺は美沙ちゃんの旦那さん「何言ってんの」
「美沙ちゃん、照れ屋さんー(はーと)」
「キモイ死ね」
「翔さん、この子ツンデレですから」
翔くんに嘘吹き込んでんの。
「ぶっ殺すよ変態」
「美沙ちゃんに殺されるなら、本望かも」
「…………………翔くん、はるるんから離れた方がいいよ」
「…うーん。…じゃあ、そちらの黒髪の彼は?」
風早くん、…いや。翔くんが志貴先輩に視線を泳がせた。
「…槻倉志貴」
「よろしくね、志貴くん」
「……………よろしく、です」
志貴先輩の敬語。萌えー。
「翔くん翔くん。鈴蘭のほかにおすすめある?」
「美沙ちゃん、本好きなんだね。休み前も、10冊くらい買ってたし」
「10…………、?」
志貴先輩が訝しげに、数字を唱えた。
「…うん。大好き。本は好きだよ」
だって、本以上にいいものがあの空間には存在しないから。
「そっか。じゃあ、今度美沙ちゃんに本借りよっかな」
「いいよいいよ。あたし、たくさん本あるから」
「じゃー、俺もーー」
「残念ながら、あたしはエロ本は持ってませんからね」
「わお、衝撃。残念」
棒読みで言葉を紡ぐ彼の表情の裏には何があるのだうか。
「…美沙ちゃん、鈴蘭以外のおすすめだっけ?」
「うん」
「鮎沢梨夏先生って知ってる?」
「知ってる知ってる!!『吊るし人』でしょ‼?」
「そうだよ。その人の『狂気な人』がなかなか面白いよ」
「じゃあ、それにする」

