「じゃあ、どうするの?怪しいヒントを貰うか貰わないか」
あたし的には後方がおすすめ。
怪しいも何も、これから言おうとしたことは紛れもない真実なのだから。
「じゃあ、聞かせていただこうかねー」
残念。期待してたあたしがバカだったよ。
「北府高校特待生枠って知ってる?」
「あー、天才とかなんとかでしょー?けど、特待生って誰か公表されてないよねー」
公表なんてしたら、嫉妬されて大変なことになっちゃうじゃん。
ここはガリ勉の巣窟デスヨ?
…といっても、ガリ勉は半分ぐらいだけど。
可愛い子が妬まれる、的な感じで勉強が出来る子が妬まれるに決まってるじゃん。
「そ、それ。んで、それがあたし」
「…特待生が美沙ちゃん…?」
「うん」
「え?」
「だから、あたしが今年の特待生」
一般生徒が特待生について、知れるのはその制度と待遇、それと今年はいるかいないかというものだ。
少し変わった制度だけど、結構あたしはお気に入り。
だって、一般の生徒は今年は一人しかいないという情報しか知らない。
あたしが特待生とバレないから妬まれて、いじめられることはない。
しかも授業料免除だよ‼免除‼
「色々楽にさせてもらってます」
にっこりとスマイルをはるるんにプレゼントする。
「まじで特待生?」
「さっきので分かったじゃん」
何が気に食わないんだい。
「んなバカそうな子が特待生?」
「ぶっ殺す」
なんつー失礼なヤツなんだ。
「だから、これが出来るってわけー?」
「うん。あたし天才だし」
「それ、自分で言っちゃうのね」
だって事実無根じゃん。
それを前優季に言ったらぶん殴られたから言わないけど。
「これは内緒ね」
「分かってんよー。志貴にも?」
「……………うん、秘密」
彼が知ってどうとかなるとかないだろうけど、一応保険ということで。

