シークレットガール!【完】




****


「ちょっ、急いでください!」


慣れてきたメイド服を膨らませ、ドラキュラと廊下を走る。


「あと、10分しかないんです!もぐらたたき、まだなのにっ!」


文化祭残り10分。


ちなみに北府高校の一般公開文化祭の終了時間は、4時。


そして、まさかの4時から後夜祭開始。


実質、一般客がここにいれるのは精々3時40分頃まで。


したがって、今は人ももう少なくなっていて、高校生ばかりだ。


後夜祭が終わり次第、片付け。


あろうことか明日から平常通りの授業を始めようとしている。


あぁおそろし。もうちょっと、文化祭の余韻に浸らさせてください。


「志貴先輩っ、三階に上がりますよっ」


一時間あった時間が何故、こんなに無くなったかというと、かくかくしかじか。


少し、理由が恥ずかしいので黙秘権を行使させていただこう。


階段を上がると、見えてきたのは『もぐらたたき』とでっかくかかれた看板。


「やっとついた。お前が、射的なんかに熱中してるから、こうなったんだからな」


「う゛………。黙ってください。だって、あのバーコードおやじのキーホルダーが欲しかったんですもん!!そこは、なかったことにしてくださいよ!!」


「出来るわけないだろ。おい、さっさと入るぞ」


「はい」


入って広がるもぐらたたきワールド。


「志貴先輩、いざ尋常に」


「…………ん」


もぐらたたきは、ゲームセンターより一回りも二回りも大きい。


でてくるもぐらは、すべてヘルメットを被った北府生。


それを叩いていく、というゲームである。


すばり、人間もぐらたたき。


「では、対戦形式。制限時間は1分です。始めてください」


ピコピコピコ、ピコピコハンマーが人を叩く音が尋常じゃないスピードで鳴り響く。