やーんハレンチー、と騒ぐはるるん。
変態にハレンチだなんて言われたから、地味に傷付いた。
はるるんはあたしの心が傷付いているのを気付きもせず、前を歩いていく。
……なんてやつだ。
あたしは、黙って彼のあとをついていく。
「………………」
「…………………あ、」
窓から見える中庭。
そこには、大きなアリスな迷路。
何あれ!むっちゃくちゃ楽しそうじゃん面白そうじゃん!!
「はるるん、アリスの巨大迷路行きたい!」
「はーいはい」
あたしのテンションについていけないのか、はるるんはテキトーに返事した。
もうやだこの変態。
あたしに敬意がないよ愛がないよ。
そんなとき、聞こえた気がした。
「る、…………な……?」
「美沙ちゃん?どうしたのー、トイレー?」
急に立ち止まったあたしを不思議に思った彼。
「………いや、なんでもないよ。行こ!アリスの巨大迷路が待っているッ!!!」
聞こえるはずがない声がした。
聞こえるはずがない人がいるかもしれないと期待した。
あたしはやっぱりまだ、あの人たちに会いたいなんて思ってる。
無駄な希望なんて要らないのに。
無理な希望なんて要らないのに。
分かっているのに実行できていないあたしは、本当にバカだし大嫌い。

