「んで、美沙ちゃん。どこいくー?」
「…あんまり、行きたい所とかないなぁ。まず適当に歩いて、そんときに考えよ」
「おーけーおーけー。メイドちゃん」
「うっさいクソ狼」
「残念でしたー。これ、狼男です」
あらま、新情報。
まぁ、どっちでもいいんですけどね。
「とにかく、行くよ。はるるん」
「わー萌えー。メイドさんに袖ツンツンされたー胸キュンー」
「棒読みだし、心にないこというなら、言わないでよこの変態星人!」
「いや?思っちゃってんよ」
んなこと、キメ顔で言われても困ります。
「はいはい。ちゃっちゃと動こ。はるるん、志貴先輩とのデートの話題作りにちゃんと協力して」
「俺とのデートは志貴との会話の話題……傷つくなぁ」
「知るか」
テキトーにはるるんの袖をつかんで、近くの目の前の校舎に入った。
「ここ、2年棟だよ。ちょっくら、見に行くー?シンデレラ」
「お願いだから止めよっか。黒歴史ですから」
志貴先輩、出てくれたから嬉しかったけど。
演技なんて恥ずかしすぎて死ぬと思った。
「あ、…でもちゃんと見る人いるのか確認したいかも」
「確かにねー。あんだけやったんだから、一時間行列くらい欲しいよねー」
「そこまでないでしょ」
そんな世間話をしていると、階段の前に着いた。
「はるるん!志貴先輩はあと何分でくるの?」
「あと一時間で俺と交替ー。そんなに俺とヤなの?」
「文化祭って4時に終わるから、それを二等分でしょ?意外と少ないじゃん?だから、はるるんと回れるのあと何分かなぁって」
「オッケーよ。うん。俺とたくさん回りたいのね。ツンデレね美沙ちゃん」
「そんなこと言ってないよ」
階段を話ながら上がり、2年棟2階に到着。
「おおっ!!」
着いたあたしは、思わず感嘆。
目の前の教室の中で上映しているシンデレラ。
その教室からは、長蛇の列が飛び出しているではありませんか。
「はるるん!はるるん!!」
「おぉ、…うん。さっきの冗談だったけど、ホントだったとは…」
はるるんのふわふわとした狼の尻尾が揺れた。
そういえば。
「はるるーん、志貴先輩って何着てるの?」
「吸血鬼だったと思うけどー」
「マジで‼?よしっ、おばけ屋敷に行こーじゃないか!そして、どさくさ紛れて、ハグだハグ!」
「美沙ちゃん、だいたーん」

