ゴーンゴーンゴーンゴーンゴーン。
重く響く鐘の音が響いた。
「姫、もう12時ですね」
「えぇ、そうね」
鐘の音が鳴っても、二人は踊り続けるが、シンデレラの耳に淡い光を放つ蝶が掠めた。
魔法は、あと5分で解ける。早く城から出ろ。
「えっ、」
魔法使いの声が脳裏を掠めて、重くその言葉が頭に残る。
(これはジョーク?…のわけないよね)
「王子っ、ごめんなさいっ!急用を思い出したの!さようなら!」
シンデレラは急いで、城を出る。
(あのクソ魔法使いめ!もっと早く言えやっ)
シンデレラはやけくそに城と門を繋げる長い階段を下りる。
「コンチキショっ!長いんだってば!」
「待って姫!」
あろうことか、王子が後ろから追いかけてくる。
「最悪最悪最悪!」
シンデレラは王子に追い付かれまいと一生懸命走る。
「…いたっ」
ガラスの靴。ヒールの部分が折れて、ヒールが脱げた。
(なんでガラスなんかで作ってんの!プラスチックで十分だっての!)
シンデレラは脱げたガラスのくつに目もくれず、一目散に門を目指した。
走り続けていると、門はもう目の前。
王子は、というと。
シンデレラの脱いだガラスのくつの場所で止まっているではないでしょうか。
(王子も案外チョロいな)
シンデレラは門から出た。
魔法が解けたのは、門を出て、数十秒後のことだった。

