王子は、さっき見た王子。
「あんなのが、王子ねぇ…」
(この国も一瞬で変態国へ成すに違いない)
シンデレラは、もくもくと食べ物を食べた。
「では、王子の婚約者決定の舞踏会を始めます!」
司会はやや興奮ぎみに開始の言葉を発した。
BGMは戻って戻ってまたワルツ調。
女の踊りには、一つ一つに気合いが入っているように見える。
「玉の輿って、そんなに大切なのかしら」
シンデレラは、ため息をつくように言葉を溢した。
「そうですよね、本当に。姫様、俺と踊っていただけないでしょうか」
「え、っ………」
シンデレラの独り言を拾ったのは、この国のもっとも偉い人になる王子。
シンデレラの目はこれでもかと見開かされる。
「…姫様、俺と踊るのは嫌なのですか?」
「いえ、滅相もない。踊りましょう」
こうして、シンデレラと王子は踊り始めた。
1曲、2曲、3曲、4曲。
終わりを知らない二人のダンス。
彼女らは時間を忘れ、踊り続けた。
しかし、時間は川のように流れ、絶えず変化する。

