「いたたた……」
シンデレラはお尻を擦る。
「どうしたの君」
「げ、…下半身ユルユル男……………。あぁ!あなたは!オウジサマジャナイデスカ!」
「美沙ちゃん‼?何その片言!てゆーか、下半身ゆるゆ、……………ごほん。君、大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です」
シンデレラは王子の手を取って、立ち上がった。
「…王子、ありがとうございます。では、これで」
シンデレラはふわり笑って、舞踏会の会場まで歩いていく。
その道のり、考えたのはあの王子。
ミルクティーの色、綺麗だったなぁ、だとか、たらしっぽいなー、だとか、変態っぽいなー、だとか。
そんなことばかり。
そんなことを思っていると、もう目の前には扉。
(ここまで来たら、行くしかない)
シンデレラは、重い扉を開けたのであった。
扉の向こうはキラキラ世界。
優雅なワルツ調の音楽に、躍る男女。
すみには、たくさんの食べ物が置いてあって、豪華だった。
「ご飯食べて、ちゃっちゃと帰ろ」
シンデレラは、食べ物コーナーに一直線。
パッ、と会場の電気が消えた。
「ながらく、お待たせいたしました」
舞台の上で、品のいい服を着た男がマイクで喋る。
「我らの王子!第一王子の登場です!」
BGMのワルツ調の曲から一転。
バイオリンの音色の美しさが目立つ優雅でダイナミックな曲。
(こりゃ、盛大なこってぃ)
シンデレラは、派手に登場する王子に悪態を吐いた。

