「奢ってくれてありがとーございます。また、お茶しましょうね」
ニッコリ。
最初に会ったときのような笑みを彼に向ける。
「何それ嫌味ー?てゆーか、挑発ー?」
まさか。
こんなお茶会をエブリデーやってたら、メンタルがすり減って、心臓発作で早死に決定だ。
「はるるん」
「何だい、美沙ちゃん」
「あたし、はるるんの事けっこー好きだよ」
「何その発言。志貴から俺に乗り替え?生憎、俺は変人は無理かなー」
「いや、そういう意味の好きじゃないし」
てか、あたし変人じゃないし。
「あたしねー、はるるんとは仲良くなりたいと思ったよ」
「俺は仲良くなりたくないなー」
そんなことを笑顔で言っちゃうところがはるるんらしい。
「じゃあ、お願い」
「んー?抱いて?ごめんねー今日はミカ先輩と約束してんのよーん」
だれが夜お供して欲しいなんて言いました?
誰もしてねーよ。
「……はるるん。あたしの邪魔しないでね」
そう言うと彼は意地悪そうに笑う。
「さて、それはどーしよっかなー」
うん。反応は予想できてたよ。
店内にある時計をちらり見ると、来店してから40分過ぎていた。
「まぁはるるん。また今度。アデューっ」
ヒラヒラと手を振り、あたしは店から出た。
店を出たあたしは、家に向かって足を進めた。
朝霧晴。
志貴先輩ラブで、勘がよくて、よく笑い、ミルクティーな頭、たれ目、イケメン、プレイボーイ、たらし、志貴先輩の親友。
美沙ちゃんメモリーに保存保存。
んで、最後に彼をまとめると、
“要注意人物”
その一言に尽きる。

