うぅ…目眩がするよ。


「とにかく、リビングに行こっか」


はるるんを帰さず、料理を作っているのだから、きっと彼ははるるん達とご飯を食べようとしている。


…多分、あたしのためだろうなぁ…。


がちゃり。


静かな部屋に扉の開く音が鳴る。


「…志貴先輩」


「……ご飯だってよ」


「あ、はい」


なんか志貴先輩、ナチュラルに馴染んでんですけど。


「……はるるん、行こっか」


「…うん」


さすがのはるるんも若干動揺気味だ。


リビングに行くと、優季と志貴先輩がテーブルの上に料理を運んでいた。


メニューはスパニッシュオムレツに、グラタン。コンソメスープ。


いつもながら、ほんと美味しそうだ。


「美沙、悪いな。お前の家なのに」


「…別に」


あたしのためなんだろうし。


「「「「…………………」」」」


……………。


優季くん、うん。あたしのためだとはいえ、ね?


なんスか、この空気。


どう考えても、謎な組み合わせだろうよ。


「…とにかく、ご飯食べよう。はるるんは優季の隣で。志貴先輩はあたしの隣でいいですか?」


「りょーかいー」


「分かった」


あたしたちは食卓の机を囲んだ。


もともと、この机には優季とあたししか座らないだろうからイスは二つと主張してたが。


優季がもしもの時もあるだろ、ということで、二個追加された。


あのときの優季グジョブ。