「俺ねー、少し君のこと印象に残ってたんだよねー」
あたし、さくらさんの葬式で何かやらかした?
いやいや。腹躍りもしてないし、変顔も披露してないはずだ。
じゃあ、何で…。
「君、気付いてないみたいだけど、自分の顔」
え。顔?ここに来て顔?
「酷くブス過ぎて覚えてたってことか」
彼に殺意が芽生えたのは言うまでもないだろう。
「いやいや、そーじゃないってー」
ヘラヘラと彼は笑みを浮かべた。
何がそこまで楽しいんだろうか。
あたしには彼の楽しいという感情を到底理解出来そうにない。
確かにさ、ブスだ。
うん、そこは認めてやる。
けど、正面向かって言うことはなくない‼?
せめて、陰口で言ってちょうだい‼
ねぇ知ってる?
え?何が?
倉條美沙よ。
あぁあのブスな子?
そうよ。あの子ピーマンとカボチャを足して2で割ったみたいな顔よね。
いやいや、ゴーヤとパセリじゃない?
………………………。
「いやいや、何故に野菜なのさ」
「急になに言い出してんの。気持ち悪っ」
「あたしの顔は何の野菜と野菜を足して2で割っているのかというテーマについてです」
もうちょっと可愛い野菜をセレクトしてくれないのかな。
ん?そもそも野菜に可愛いとかあったっけ?
そもそも野菜の可愛いの規準が分からない。
「野菜界恐るべし」
「俺的には君の頭の方が恐ろしいよ」
どういうことだよオイ。

