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卵のいい匂い…。
食欲に誘われて、目を覚ました。
目の前に広がったのは、白いシャツに青のネクタイ。
前髪にかかる僅かな吐息。
「………………っ」
何でこんなに近いの…っ!
「はるるんの変態っっ!!!」
勢いで、彼の鳩尾に拳をクリーンヒット。
うおっ、と情けない声を彼はあげた。
「……なんか、少し達成感」
変態を撲滅した、的な……?
「美沙ちゃん、暴力的~。寝起き襲うなんて、意外とヤバめー?」
「ちょっ、誤解を生むような言い方やめてくれません‼?」
タオルケットを盾にして、はるるんとの距離を取る。
「あ、……」
タオルケットの色は黄色。
その持ち主は優季。
優季といえば、ご飯。
バッと時計を見ると、オーマイガッと叫びたくなった。
「7時半…………」
この匂いはどう考えても優季が作ってくれている料理の匂いだ。
「…そういえば、志貴先輩は?」
「あ、確かに。俺らの間にいたはずだよねー」
も、もしかして。
優季と一緒だったりして、…………。

