目を閉じて、感じるのはライン。
あたしと、その他の人の間に引かれているそのライン。
春には、そのラインが綺麗な直線を描いていた。
だけど、今は。
その程度が酷く曖昧。
「志貴先輩達を呼びますか」
気合いを入れたくて、バシンと両頬を叩く。
よしっ、気合いオーケーだよコノヤロー。
玄関に向かって、鍵を開けて、外で待つ彼らに一言。
「かかってこいやあああぁぁぁぁぁ!!」
「「……………………」」
あれ?なんか先輩達の目が点に…。
「どうかしましたか?志貴先輩」
「いや、どうしたじゃねぇだろ。お前、ほんとに人間か?」
「え、その質問の真意はなんですか」
「…………晴、パス」
「は‼?むりむりむりむりむりっしょー」
どんだけ無理無理言うんだし。
てゆーか、パスって何‼?
会話にパスとかってアリなの‼?
「…美沙ちゃん」
「な、なんだい…?」
思わず身構え。
「えっと、…何と戦おうとしているのかな?」
戦う………?
「志貴先輩どうしましょう。はるるんが、意味不明なことを言い始めました」
「志貴どうしましょう。美沙ちゃんが自分のことを棚に上げ、サイテーなことを言い始めました」
「…んなことはどうでもいい。入るぞ」
「志貴ー、俺にパスしといて美沙ちゃんと同等の扱いとかひどーーい」
「はるるん、あたしと同等が嫌って何様だよコノヤロー。表に出やがれ」
「…志貴ー、俺も入る入るー」
「ちょっ、無視‼?」
最近、もっとあたしの扱いが酷くなたような…。
悲しい現実であるのは、間違いない。
今は悲しい現実を目(ま)の当たりにしておる場合じゃない。
あたしのとなりをすり抜けて、家の奥に進んでいく二人を追いかける。
あたしのパンツ、見ないかちゃんと監視しなきゃ…っ。

