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駅を出て、スーパーに寄り鶏肉とキャベツとさんまと安かったからポテトチップスを優季のために買い、真っ直ぐ500㍍ほど、歩き、そのからうねうねと細道を通り、しばしば20分。
「ここがあたしの家です」
目の前には、とあるマンションの一室。
「ねぇ美沙ちゃん、ここ5分くらいでこれるところじゃないー?」
ガタンゴトン、ガタンゴトン。
微かに電車の走る音が聞こえてくる。
「もっちろん」
「仕返し?」
「そーに決まっててんでしょ、はるるん。春のお返しだ。……晴だけに」
ブブッ。ナイスだよあたし。
呆れ顔の志貴先輩からの視線が痛い。
「まぁまぁ気を取り直して!」
ごそごそ、カバンを漁り、金曜7時のあのアニメのキャラクターのように。
「チャッチャチャーーン。my keyーーーーー!!」
あたしは高く家の鍵を突き上げた。
「うん。無駄に発音が綺麗なのがムカつくね」
「あぁ。ウザいな」
何その批評……っ!
ノリノリだった分、地味に傷つくんですけど!
「あっそ。あたし、片付けてくるから、ちょっと待っててよね」
地味に傷付いたあたしは、少し八つ当たり気味に彼らにお願いする。
鍵を回して、中に入る。
がちゃり、とちゃんと鍵をした。
「さて、と」
お片付けをしましょうかね。

