「…美沙さん」
「何?」
「ありがとうございます。私とお兄ちゃんの仲直してくれて、……。私の本音も話してくれて……」
「あのね、双葉ちゃん。いいこと教えてあげる」
「……………」
「心残りが一番後味悪いんだよね。だから、後悔しないように、言葉にして、行動を起こすんだよ」
心残り。後悔。
あたしみたいになってほしくないんだよ。
あたしの場合は心残りせざるおえないようなシチュエーションで、そっちは心残りはしないで済むようなシチュエーションじゃん。
「…双葉ちゃん、返事は?」
「はいっ」
「ん、よろしい」
ニカッと笑みを向けると、彼女は笑い返してくれた。
あぁマジで天使。
このことを深く実感した。
「お兄ちゃんっ!またお話ししようねっ!私、宿題してないから、自分の部屋行くね?」
「宿題頑張ってきてね」
「答え写しちゃダメよーん」
「………」
「じゃ、また」
双葉ちゃんは綺麗な天使な笑みを最後に自室に戻っていった。
リビングにまた3人。
静かな空気が流れる。
残るは、お母さんとお父さん、か…。
お父さんは9時って言ってたもんなぁ。
そこまで、あたし居れないし。
「はるるーん、お話しよー」
「やだ」
「あたしもやだー」
「俺もやだしー」
「昔話しない?」
この手はあまり使いたくなかった。
本当はこれだけはちゃんと本人達の前でガツンと言ってやりたかった。
けど、いないのなら、仕方ないじゃん。
綺麗な言葉だけでは納得してくれないじゃん。
「あたしの小さな時のお話、しようか」
だから、あたしの体験談なんだ。

