「ととととととにかく!」
双葉ちゃんの視線が痛いからっ、心にグサグサ刺さっちゃってるから。
あれだよね。
私抜きで何でお兄ちゃんと喋ってるの的なあれだよね。
ブラコンだよね?嫉妬だよね?
どうか、マジであたしを引いていませんように。
「神よ!我に力をっ」
「「「………………」」」
無視られた。
もう、ボケはするまい。
そう緩く心に決めた。
「…えっと、双葉ちゃん?」
「ちょい待ちー。なかったことにしたー?さっきのなかったことにしたー?」
黙れこの変態ヤロー。
ここは黙っとけや。
「…ねぇ双葉ちゃん」
「え、…さっきのなかったことにするんですか…………」
あんたら、マジで兄弟だな。オイ。
はるるんのムカつかせる才能の遺伝子、思いっきり妹の遺伝子に組み込まれてんよ。
「…ねぇ双葉ちゃん」
ここは無視を貫け。
そしたら、じきに忘れるさ。
「………………」
無視したら、無視られた。
何この子。天使じゃねぇのかよ。
これ、絶対はるるん2号だわ。
けど、この子素でやってるだろうから、もっと質(たち)が悪いよ。
「…双葉ちゃん聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「何ですか?」
そんなに緊張しなくてもいいじゃんか。
もう何々。あたしは危険物扱いか。
残念ながら、あたしは人間だよ。
「双葉ちゃん」
「何でしょうか」
にっこり、彼女はあたしは笑みを向けた。
可愛くて、綺麗で。そして、
悲しいほど儚い。
綺麗すぎてコワイ。
手を伸ばしたら崩れそうだ。
「双葉ちゃん、お兄ちゃん好き?」
微笑みかけて聞くと、さっきまでの警戒はどこにいったのやら。
「うんっ」
笑顔で返事をする。

