シークレットガール!【完】



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「いやぁ、先輩っ‼奇遇ですねっ」


「お前、30分前からスタンバってただろ」


「…それを何故知って…………ハッ……そんなことありませんよ?」


危ない危ないバレるところだったよ。


うんうん。お口はチャック。


これは幼稚園の先生に教えてもらったことだ。


桃子先生。私は頑張りました。先生が言ってたように、お口チャックしましたよ!


あぁ。軽蔑をするような白けた視線を送る彼は今日も最高過ぎる。


にやけてしまうじゃないですか。


「…お前、「じゃなくて美沙です」


この人は、いつになったら名前を覚えてくれるんだろうか。


「……何で俺に付きまとう?」


無視ですかさいですか。


もういいよ。私決めた。


名前にはもうつっこみませんよ。


というか。


「付きまとうって何ですかー。ストーカーみたいじゃないですか」


失礼過ぎるでしょ、うん。


確かにスタンバってたり、先輩の誕生日、特技、血液型、誕生日、クラブ、幼少期、得意技、必殺技、経験値……って何の話してんだい私は。


思いっきりゲームの話に最後らへんなってたし。


「……そもそも志貴先輩。1日2日でストーカーと決めつけるのは早いですよ自意識過剰ですか」


と冗談半分で言ったつもりだったが、彼のこめかみを刺激してしまったようで。


「…………チッ」


と舌打ちをして彼は帰路の足を早めた。