「ヴォルドぉー!!貴様ぁ!!!」
怒りを露にするウォルト。
その場にいたラジル、リダルは
目を見開いて驚いた。
平然と座るのはヴォルドだけ。
バリン、バリンと窓ガラスが割れ、
破片が飛び散り
ゴゴゴゴ…と、地響きと共に強風が吹く。
「何事ですかっ!?
……ウォ、ルト様」
駆け付けたのはウォルトの側近である
グレドだった。
ウォルトの変わり果てた姿に
その場に立ち尽くす。
ウォルトがここまで
怒ったのは初めてだった。
「血迷ったか?騒々しい。」
ゆっくり立ち上がったヴォルド。
あの無表情のまま、ウォルトを見据えた。
