「あれ見ろよ!」
誰かがビルの真ん中あたりを指差す。
真っ赤な炎が立ち上っていた。あちこちから悲鳴が上がる。
「……和也っ!?」
和也は……小さい頃、両親を目の前で……
「彼は煙や炎を見ると、身体が硬直して動けなくなるわっ……!」
思わずビルに向かおうとした私の右腕を、誰かが掴んだ。
「危ない、美月さんっ!」
「消防署にはもう連絡しました! あと十分ほどで到着するそうです!」
轟音と共に吹き出した炎が、あっという間にビルの壁を舐めていく。
「火の回りが早いっ……!?」
……内村さん。あの子もまだ中に!?
「田中さん、社員の確認をお願いっ」
「は、はい、美月さんっ!」
「火の粉が降りかからないように、みんな離れてっ!!」
大声を出しても、悲鳴に打ち消される。
お願い……二人とも、無事で、いてっ……!!
誰かがビルの真ん中あたりを指差す。
真っ赤な炎が立ち上っていた。あちこちから悲鳴が上がる。
「……和也っ!?」
和也は……小さい頃、両親を目の前で……
「彼は煙や炎を見ると、身体が硬直して動けなくなるわっ……!」
思わずビルに向かおうとした私の右腕を、誰かが掴んだ。
「危ない、美月さんっ!」
「消防署にはもう連絡しました! あと十分ほどで到着するそうです!」
轟音と共に吹き出した炎が、あっという間にビルの壁を舐めていく。
「火の回りが早いっ……!?」
……内村さん。あの子もまだ中に!?
「田中さん、社員の確認をお願いっ」
「は、はい、美月さんっ!」
「火の粉が降りかからないように、みんな離れてっ!!」
大声を出しても、悲鳴に打ち消される。
お願い……二人とも、無事で、いてっ……!!
